炭酸ガスセンサ

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●CO2濃度計測の現状
 現在、CO2濃度計測には、一般に赤外線吸収方式のセンサが採用されています。しかし、(1)ほこり等の汚れに弱いため、工場の排煙等のCO2排出源付近の監視には不向き、(2)最近ではかなり小型化されてきているが、コスト的には依然と高く、構造も複雑なうえ頻繁に手入れする必要がある、などの問題があります。そのため、メンテナンスフリーに加え、さらに小型かつ安価なCO2センサが切望されています。

●起電力検出方式のCO2ガスセンサ
(1)高温(400〜500℃)作動型
 小型のCO2センサとして、様々なセンサが提案, 検討されていますが、中でも、炭酸塩補助相を接合した起電力検出方式の固体電解質を用いたCO2センサが、最も有望視されています。このタイプのセンサは、固体電解質(固体中をイオンが移動する物質)に炭酸塩(Na2CO3, Li2CO3など)補助相を接合して気相中のCO2と電気化学反応(電気的なやりとりを含んだ化学反応)を起こし、CO2濃淡電池を形成します。このCO2に感じる電極(検知極)とCO2に感じない電極(参照極)の間に生じる電圧(起電力)差を測定することでガス検知を可能にしています。以下に、その電気化学反応を示しています。
   (検知極) 2Li+ + CO2 + 1/2O2 + 2e- = Li2CO3
   (参照極) NaxCoO2 = xNa+ + CoO2 + xe-
 また、この起電力(EMF)と濃度の関係は、ネルンストの式により次のように与えられます。
   EMF = E0 + (RT)/(2F)・ln PCO2
ここで、Rは気体定数、Tは絶対温度、Fはファラデー対数、PCO2はCO2濃度を表わしています。
 このタイプのセンサの利点としては、(1)光学機器を用いないので、ほこり等の影響を受けない、(2)センサ信号として起電力を検出するだけでよいので、単純な回路で作製でき、小型化が容易である、(3)特定のガスに対する電気化学反応を利用しているので、選択性に優れる、などがあります。しかしながら、作動温度が400〜500℃付近であるため、加熱用ヒーターを組み込む必要があり、消費電力の点で課題が残されています。
(2)室温(30℃付近)作動型
 高温作動型に対して、さらに金属酸化物補助相を加えたセンサは、室温(30℃)付近においてCO2検知が可能であるため、低消費電力型のセンサとして期待されています。このタイプのセンサは、下の図に示すように、酸化物電極上に形成した多層の物理吸着水が一種の溶媒の働きをすることで、室温付近においてもCO2検知が可能になっているためと考えています。そのため、乾燥雰囲気下(相対湿度30%以下)におけるガス感度の低下が問題になっており、この問題解決が今後の課題になっています。
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