研究概要


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研究背景
 CO2は、燃焼や生物活動によって排出され、私たちにとって身近な環境ガスです。産業革命以前のCO2濃度は約280ppm(約0.03%)でしたが、石炭, 石油, 天然ガスなどの化石燃料の燃焼により発生して、1994年には358ppmまで増えました。このままでは、2100年には約2倍の700ppmまで増えると予想されています。CO2は地球温暖化の原因になっている温室効果ガスのひとつに挙げられていますが、他方では、生物活動に深く関わっており、農業・バイオ関連分野への応用が期待されています。 そのため、以下のような分野で、小型かつ安価で高性能なCO2センサが待望されています。
(ppm:百万分の一の濃度のこと)

・地球温暖化
 地球の地表温度は、太陽光エネルギーの入・放射エネルギーのバランスから決定されます。温室効果ガスといわれるものは、太陽光線は通しますが、室内の熱は外へ逃がしません。そのため、このガスが増え続けると、地球の平均温度は上がり続けることになります。地球温暖化が及ぼす最も大きい影響は気温の上昇です。その急激な変化についていけない動・植物は絶滅する恐れがあります。また、気候変化による農作物収穫量への影響から危機的な食料問題につながると心配されています。海外に食料の多くを依存する日本では、とても大きな影響を受けると考えられています。 炭酸ガスの排出源を監視し、その現状を把握することは大変重要です。

・CO2による人体への悪影響
 健康な人が濃度0.1%以上の中では息苦しさを覚え、1.5%以上では意識障害を起こし、7〜10%では数分以内に意識を失います。そのため、我が国の場合、労働衛生上の環境基準は、0.1%以下に保たれるように定められています。現在のところ、CO2の汚染防止対策は換気です。しかし、人がいないときも、常に換気しているため、健康維持と省エネルギー化の矛盾が問題になっています。
 この問題を解決するために、在室者によって吐き出されるCO2ガスを検知するセンサと換気系を連動させるシステムを構築することで、大幅な省エネルギー化が期待できます。

・ビニルハウス栽培などへのCO2利用
 植物の光合成には、水と光と炭酸ガスが関わっており、野菜や果樹栽培へのCO2利用が注目されています。適切なCO2濃度に維持することで、収穫量が約2倍になるという報告があり、CO2利用による収穫量の増大が実証されています。
 そのため、照明とCO2センサによる光量および炭酸ガス濃度の制御により、日照時間の少ない地域での収穫量増大が期待されています。


<参考文献>
・環境庁長官官房総務課 編:「地球環境キーワード辞典」, 中央法規
・鍋島淑郎, 森棟隆昭, 是松孝治 共著:「環境工学入門」, 産業図書
・池田耕一 著:「室内空気汚染の原因と対策」, 日刊工業新聞社
・吉岡宏:「農林水産研究文献解題No16施設園芸編」
・地球環境データブック編集委員会 編:「地球環境データブック」, オーム社


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